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栗原社会保険労務士事務所

医療費、過去最高の34.8兆円 08年度

☆厚生労働省は24日、2008年度に医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が前年度比2%増の34兆8,084億円となり、過去最高を更新したと発表した。国民所得に対する医療費の割合は9.9%と1割に迫った。

 国民医療費は病気やけがの治療のために医療機関に支払われた1年間の医療費の総額。主に診療費や調剤費などで、健康診断や正常な出産などの費用は除く。会社員らが払う健康保険料や税金、患者の自己負担が財源となっている。

  国民所得比は前年度に比べて0.88ポイント上昇し、調査を始めた1954年度以来で最大の上昇幅となった。08年度は金融危機などで企業の業績悪化とそれに伴う賃金カットが相次ぎ、国民所得は前年度比7.1%減の約351兆円となった。これに対して、国民医療費は高齢化や新薬の値上がりの影響などで2%増えた。08年度は政府が医療費の公定価格を示す診療報酬の改定率をマイナス0.82%としたが、医療費はそれを上回るペースで膨らんだ。

  国民1人当たりの国民医療費は2%増の27万2,600円で過去最高。年齢層別では65歳未満の平均が15万8,900円だったのに対し、65歳以上は67万3,400円と、現役世代の4倍以上にのぼった。国民医療費に占める65歳以上の割合も1.0ポイント上がって54.6%になった。

 75歳以上の1人当たりの国民医療費は83万円と、前年度とほぼ横ばいだった。

 国民医療費をまかなう財源としては、税金(公費)の割合が前年度比0.3ポイント上昇の37.1%(12兆9.053億円)となった。政府が75歳以上の健康保険料の上昇を抑える措置を取ったことなどが響いた。保険料の割合は48.8%、患者の自己負担は14.1%だった。(11月24日:日本経済新聞より)