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栗原社会保険労務士事務所

賃金立て替え制度 利用者急増

☆倒産した企業の従業員に未払いとなっている賃金の一部を国が立て替える救済制度の利用者は、厳しい経済状況を反映して、今年度1万8000人を超え、前の年度の1.5倍に急増していることがわかった。

この制度は、勤めていた企業が倒産したために賃金や退職金が支払われていない労働者に、国が労災保険からその一部を立て替えて支払うもの。厚生労働省によりますと、今年度6月末までの3か月間にこの制度を利用して支給を受けた人は、全国1、020の企業の1万8、714人に上った。これは、前の年度の同じ時期を6、300人余り上回り、およそ1.5倍に急増している。また、支給額は89億1、200万円に上り、前の年度の同じ時期よりおよそ37億円増えている。(9月6日:NHKより)

【参考】
※〇未払賃金立替払制度とは
「未払賃金立替払制度」とは、「賃金の支払の確保等に関する法律」(以下「賃確法」という。)に基づき、企業が「倒産」したために賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、その未払賃金の一定の範囲について、独立行政法人労働者健康福祉機構(以下「機構」という。)が事業主に代わって支払う制度です。

〇立替払を受けることができる人とは
立替払を受けることができるのは、次の要件を満たしている場合です。 (1) 使用者が
?  労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業で1年以上事業活動を行っていたこと(法人、個人の有無、労災保険の加入手続きの有無、保険料納付の有無は問いません。)。
?  法律上の倒産又は事実上の倒産に該当することとなったこと。
(2) 労働者が
?  倒産について裁判所への破産申立等(事実上の倒産の場合は、労働基準監督署長への認定申請)が行われた日の6か月前から2年の間に退職していること。
?  未払賃金があること(ただし、未払賃金の総額が2万円未満の場合は立替払を受けられません。)。

〇立替払の対象となる賃金とは
  立替払の対象となる未払賃金は、退職日の6か月前の日から機構に対する立替払請求の日の前日までの間に支払日が到来している「定期賃金」及び「退職手当」で未払のものに限られます。
したがって、賞与その他臨時的に支払われる賃金、解雇予告手当、賃金に係る遅延利息、慰労金や祝金名目の恩恵的又は福利厚生上の給付、実費弁償としての旅費等は対象にはなりません。
なお、立替払の対象となる未払賃金は、税、社会保険料、その他の控除金の控除前の額です。ただし、その他の控除金のうち、事業主の債権に基づき、当該賃金から控除が予定されているもの(社宅料、会社製品の購入代金、貸付金返済金等)については控除します。

〇立替払の請求ができる期間は
裁判所の破産等の決定又は労働基準監督署長の倒産の認定があった日の翌日から起算して2年以内です。  
この期間を過ぎてしまった場合は立替払を受けることはできません。

〇立替払される額は
  立替払される賃金の額は、未払賃金総額の8割です。ただし、未払賃金総額には、退職日の年齢に応じて限度額が設けられており、未払賃金総額が限度額を超えるときはその限度額の8割となります。

 退職日における年齢  未払賃金総額の限度額  立替払上限額
  45歳以上            370万円          296万円
  30歳以上45歳未満      220万円          176万円
  30歳未満            110万円           88万円

(資料:行政独立法人 労働者健康福祉機構より)