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☆全国に51カ所ある社会保険病院、厚生年金病院の2010年度決算は、最終損益が合計で94億円の黒字だった。合計黒字額は前の年度の10倍以上に拡大した。10年度の診療報酬改定で、救命など急性期にかかる医療費を手厚くなるよう見直したためだ。ただ、赤字の病院数は19カ所と前の年度から変わらなかった。
社会保険病院や厚生年金病院は従来、旧社会保険庁が運営していた公立病院。自公政権が08年に独立行政法人に運営を移管して民間などに売却する方針だったが、患者団体などが「地域医療の崩壊につながる」と反発。公立病院として存続するための法案が今年、成立した。
安定した経営基盤を築いて地域の中核病院となることが期待されているが、累積の負債が資産を上回る「債務超過」の病院数も13カ所と、前の年度から変わらなかった。(9月1日:日本経済新聞より)