埼玉県草加市の社会保険労務士事務所です

主なサポートエリア|草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市など

社会保険、就業規則、給与計算、各種年金、助成金、創業支援などお気軽にご相談ください。
TEL:048-936-2616(平日午前9時から午後6時)

栗原社会保険労務士事務所

障害年金、支給決定に遅れ 記録問題による人手不足原因

☆年金記録問題のあおりで、障害厚生年金の支給決定が遅れている。日本年金機構は請求から決定まで「3カ月半」という基準を定めるが、昨年度の達成率はわずか1割。今年度も最長で倍の7カ月間かかっている。記録問題の対応に人手を取られていることが原因で、支給待ちの障害者からは苦情も出ている。

 障害厚生年金は、厚生年金に加入するサラリーマンが病気やケガで障害者になった場合などに受けられる。申請をもとに診断書などを確認、障害等級(1?3級)を認定されたうえで支給が決まる。

 医師による認定の前に、障害を負う原因となった病気の初診日が「厚生年金の加入期間内」か、などの支給要件を審査するのが、機構本部の事務職員の仕事だ。「3カ月半」という審査期間の基準は、旧社会保険庁時代の5年前にサービス向上を目指して決めた。その後、持ち主が分からない5千万件の「宙に浮いた年金記録」など一連の記録問題が発覚。その対応を優先して職員が配置されたため、審査に回る人材が手薄になった。

 申請は増加傾向で、昨年度中は4万1千件を受け付けた。一方、昨年度中の支給決定は2万8千件弱にとどまり、その9割は基準よりも遅れた。日本年金機構に移行した今年も審査の遅れは続き、今も平均で半年近くかかる。

 支給が決まれば、障害認定を受けた翌月分にさかのぼって年金が支払われるが、厚生労働省や機構本部には支給決定を待つ障害者から「生活費がない」などの苦情が多く寄せられる。ある審査待ちの男性は「生活の糧となる障害年金の審査が、なぜこれほど遅れるのか」と憤る。


 機構は4月から、審査にかかわる職員を倍増して97人にした。苦情に対しては、態勢を強化して審査期間の短縮に努める方針を説明する。機構幹部は「社保庁から機構に移行して、支給要件の判断に熟練した職員が減ったことも影響した。態勢の強化で、年度内には基準を達成したい」と話している。(9月12日:朝日新聞より)